2020.5.8 【加筆・編集しました】
(このブログは①・②・③に分けてあり、その②です)
今回は、関節を固定して動かさないようにすることのデメリットについて
書いてみたので興味のある方は是非読んでみてください。
サポーターやコルセットを着用し続けていると
関節を固定して動かさないって必要な処置なんですが、
固定のレベルや期間を間違えると動かさないリスクって意外と高くなるんです。😨
関節や筋肉の保護目的でサポーターやコルセットを常時着用して動くようになると、
体がそれに適応して(悪い意味で慣れてしまい)モノに頼るようになっていきます。
例えば、高齢者が歩く際に少しでも安全で楽に歩ければと杖を渡してしまうと、
直にもっと安定した杖が欲しくなり、杖を頼って歩くようになります。
そうなると、重心が体の外へ出るようになり、そのうち手押し車が必要になり、
杖などのモノに頼らないと自立したり歩行できなくなっていきます。
そしてますます重心が体の外へ出てしまうと、筋力の衰えに拍車をかけて
最終的には自立できなくなってシニヤカーに乗ることが当たり前になる。
本来なら安心して動けるように動きをアシストするための道具が、
動きをサポートしたりヘルプするどころか、それ無しでは不安に感じてしまう
ほどの依存の対象になるなんて、本末転倒ですよね。
関節の役割
関節は靭帯でその形状が保たれ、
筋肉などの働きで関節のバランスが安定するように設計されていて、
適度な負荷をかけることで鍛えることが可能なのですが、
しっかりと荷重をかけたり動かさなくなると筋力はどんどん低下していきます。
関節や筋肉を適度に保護したり適度に鍛えることは必要ですが、
過保護にするとに弱くなる原因になり、逆に過度に鍛えると器質的に
壊れてしまうの可能性が高くなるのです。
パフォーマンスが上がる=体の操作性が上がること
怪我や故障が原因して関節が固着化して動かなくなったり、
筋肉の不随化で自分の思うように動かせなくなる。
体の一部がなにかしらの理由で動かなくなったり動きにくくなって
体の操作性が下がると、パフォーマンスは一気に下がります。
例えば、肩関節の動きが悪い状態で手を動かそうとすると、
肩甲骨や体幹がそれをカバーしようとして誤作動を起こし
最終的に腰に負担がかかって腰痛の原因になります。
同様に(捻挫が完治していない状態などで)足関節の動きが悪い状態で
歩いたり運動(特に片足加重やつま先加重、ジャンプ系の動き)をすると
膝や股関節にかかる負担が大きくなり、全身のバランスが崩れた状態で動く
ことで、肩を痛めたり首を痛めたり、それをカバーしようとした腰に負担が
かかり、結果として腰痛の原因になります。
体はどんな動きでも全身で動くように設計されている
体は本来、どんな動きも全身で動くようにつくられています。
部分的に動かしているようでも全身は関連・協調して動いているので
怪我や故障をしてみると想像以上に不自由になることき気がつきます。
筋肉は、インナーマッスルとアウターマッスルの2つに分けることができ
⚫️ アウターマッスルは、意識しやすく単一で働き、動作に補助的に働き
⚪️ インナーマッスルは、意識しにくく関連協調して働き動作に主導的に働くことで
体の動きの悪い(稼動率の低下している)部分を腰を中心に全身でカバーして動く
ようにできているのですが、
疲れてきたり、力んでしまったり、カバーするのが主要な肩関節や股関節だと、
カバーしきれなくなって他の部分へかかる負担が大きくなるのです。
動かさないと、動かなくなっていく
体を(関節を)動かしていないと、動か(せ)なくなる。
自由に動くためにあるはずの関節が、たった数ヶ月で動かなくなる。
関節を痛めたわけでもないのに機能低下して不自由になる。
動かさないと動かなくなるのは、ある意味当たり前のことなのかもしれませんが、
痛めてもいない関節の動きが、固定して数ヶ月動かさないだけで退化するのを
目の当たりにすると、
生きることは動くこと。
という言葉を思い出し、体を(正しく)動かすことの大切さを改めて考えさせられます。
日常的に戻ってはじめて完治
足首捻挫やギックリ腰などでも、多少の痛みは感じながらも動ける状態に
体のバランスを整えて、最小限の固定(安定)で動かすのが施術における
僕の基本的な考え方です。(もちろん無理は禁物ですが)
そうすることで結果的に〝完治〟までの期間(日常生活に支障やストレスがない
状態や競技に復帰したり、通常通りトレーニングができるまでの時間)が最短に
なることは経験的に知っていましたが、
最近では脳出血や盲腸などでも、体がある程度動ける状態まで回復したら、
どんどん動いて積極的にリハビリをするみたいです。
できることなら痛いことや辛いことは避けたいのですが、
固定を外して動き始める期間の見極めの重要さと、ただ動かすのではなく
器質的にも機能的にも回復するような、質の高い動きをすることが完全回復への
早道になります。
と今回(②)はここまで、③へと続きますので是非読んでみてください。
このブログがあなたの健康維持・獲得のキッカケやヒントになれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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