アイシングのカラクリ(①)昔の常識は今の非常識かも

常識非常識体のしくみと働き
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2020.4.14  【加筆・編集しました】

(今回は①・②・③に分けてあり、その①です。)

体を冷やしてケアやメンテナンスするアイシングに興味のある方は是非読んでみてください。

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昔の常識は今では非常識かもしれない

常識非常識

 

 

😱 運動中に水を飲んではいけない。

 

😱 度が過ぎた長時間トレーニングと根性論だけの指導。

 

😨 野球選手は肩が冷えるので水泳してはいけない。

 

😨 疲れは血中に乳酸が溜まって起きているので、乳酸は疲労物質だ。

 

😨 運動前にストレッチ(静的)をして筋肉を伸ばしておくことで、

パフォーマンスアップや怪我や故障の予防になる。

 

😱 鼻血が出たら後頭部をチョップする。

 

 

一昔前は当たり前に行われていた、(常識だった)ことが、今や非常識だったり、

 

その効果や効能が疑われはじめているものや、もはや常識ではなく非常識になりつつ

 

あるものまで、運動に関する常識ってこれからもどんどん変わっていくと思います。

 

運動後のアイシングについてあなたはどう思いますか?

アイシング

 

Rest(安静)

Icing(冷却)

Compression(圧迫)

Elevation(挙上)

 

 

外傷の緊急処置のRICE(ライス)処置のひとつでもあるアイシング

 

冷やすと痛みが軽くなるから、運動後のアフターケアとしてアイシングする

 

ことは本当に有効(最適解)なのでしょうか?

 

 

アイシングをすることで痛みが減る=楽に動かせる=思い切り動かしても

 

大丈夫=痛み止めと同じ感覚でアイシングを使って痛みはコントロールしても、

 

運動の内容や運動量はコントロールしない。

 

 

高い確率でこういう思考パターンの方をお見かけます。

 

 

とりあえず冷やすという選択肢

 

動いた後はとりあえず、痛い部分にはとりあえず、

 

患部をアイシングという行為をしておけば大丈夫的な、

 

もしかしたら〝冷やすという形だけ先に広まった影響〟なのかもしれませんが、

 

アイシングすることの目的やアイシングすることで体にどんな影響があるのか、

 

目安になる時間や回数、温度など(一般的に)肝心な部分が曖昧なまま、

 

とりあえずやっているケースが多い気がします。

 

 

僕は、体の手入れや手当てとしてのアイシングに対して

 

あまり肯定的ではありません。

 

但し、冷やすことが体にもたらす影響を理解して、目的や状況に応じて

 

正しくやれば効果はあると思っています。

 

 

肯定できない3つの理由

 

僕がアイシングにあまり肯定的でない③つの理由、

 

① 体の健康や回復には血流も含めた体液循環が良くなることが基本なので、

 

その基本的な働きを妨げるようなことはしたくない

 

 

② アイシングの歴史は比較的浅く、人の体に対する長期的な効果の検証や研究の情報が

 

少ないこと。

 

目的とやり方が曖昧なまま行為だけが先に広まっていて、とりあえず冷やしとけばOK的な

 

ことが多く、痛み止め薬と似たような扱いになっていること。

 

 

③ 僕自身が炎症終えんに効果的な施術材料を長年使用していること

 

正直、施術材料のアドバンテージがなかったら、アイシングをしながら状況判断し

 

24時間を目処に温めたり保温に切り替える選択をします。

 

曖昧になっていませんか?

基本

 

アイシングとは、

 

冷やすことで局所麻酔効果で腫れや痛みなどの炎症をコントロールして、

 

その反作用で血行が良くなり患部の回復を促します。

 

 

アイシングには、0℃の水が適温で(氷だと0°以下になる恐れがあり凍傷の危険性があるので)

 

痛めたり運動後30分以内に開始して、約15分から20分以内で一旦終了し、

 

約40分で痛みが回復するのでだいたい60分周期で48時間(2日)を目安に

 

患部の状態や痛みの状態で調整します。

 

 

 

アイシングをしている感覚は、冷感から温感に変わり、チクチク感

 

やヒリヒリ感がした後に感覚が無くなっていきます。

 

患部の皮膚表面温度は低下して、痛みは軽減し血流量は低下し、

 

血管が収縮して新陳代謝も低下します。

 

 

アイシングをコントロールする

 

アイシングは、する部分によっても血流量の違いがあります。

 

筋肉>腱>靭帯の順で、比較的冷えにくくて温まりやすく、

 

骨と骨をつないで関節や形状を保っている靭帯や、

 

骨と筋肉をつなぐは血管が少ないか血管が無いので冷えやすくて温まりにくく

 

骨と筋肉をつなぐ筋腱移行部は、その中間と覚えておくと時間調整の目安になります。

 

 

季節によっても気温が違い、患部の状況(炎症反応)、急性期なのか慢性期

 

なのか、本人の冷感と温感の好みなどで調整するとさらに効果的です。

 

アイシング効果が期待できない方法

効果外

 

アイシングで冷やすことは基本ですが、

 

外気温がマイナスになると路面が凍りはじめるように、

 

皮膚温がマイナスになって凍傷にならないように

皮膚温がマイナス4℃になると凍傷を起こすので)

 

氷や保冷剤を直接患部に当てない工夫が必要です。

 

 

アイシングにならない行為

 

👎 コールドスプレーや湿布にアイシング効果は期待できません。

 

コールドスプレーは皮膚表面の冷却効果はあってもアイシングにはならず、

 

一箇所に長時間かけ続けると凍傷になってしまいます。

 

 

👎 湿布には温湿布と冷湿布、パップ(ハップ)タイプとテープタイプがあり、

 

温湿布と冷湿布の違いは、カプサイシンの血流増加作用とメントールやカンフル、

 

ハッカ油のおだやかな血管収縮作用の違いで、サリチル酸メチルや亜麻仁、

 

薬草などの消炎効果が期待できますが、成分と気化熱で冷感がするだけで

 

アイシングにはなりません。

 

 

👎 テープタイプの湿布は、非ストロイド系の抗炎症薬 インドメタシン、

 

イブプロフェン、フェルビナクの薬効効果は期待できますが、湿布同様に

 

アイシングにはなりません。

 

 

👎 熱中症対策におでこに貼りつけるタイプ(メントールの冷感と気化熱)が

 

推奨されない理由はそんなとこにあります。

 

痛みとは、炎症反応のひとつの症状

炎症

 

体に損傷が起きると体内から痛みを感じる物質が出ます。

 

この物質が血流を促進させて損傷箇所周辺を圧迫して二次酸欠を起こすことで

 

痛みと血管内の虚血と血液成分の漏れで患部に炎症と腫れが起きます。

 

 

通常、このタイミングでアイシングの出番なのですが、

 

血流が増加して細胞が修復しようとしている流れに対して冷やすという

 

逆の作用(デメリット)にもなります。

 

 

体は、🥵発熱することで体内に入ったウイルスや細菌を殺し、

 

痛みや腫れがあることで動きに制限をかけたり無理ができないような状態にして

 

回復しようとします。

 

 

熱も痛みも炎症反応なので体にとっては正常な反応で、痛み=悪ではなく、

 

治癒のプロセスで起こる体の防御反応なのです。

 

 

とは言っても、痛いとストレスを感じるし、腫れると関節が動かしづらいし、

 

炎症反応があると体はしんどいですが…😵

 

必要か不要か、見極めとさじ加減は必要

見極め

 

アイシングは、体に炎症が起こった時に反応を軽減するために必要(?)

 

な行為として行われています。

 

 

体に痛みがあると、痛みのある患部を庇って無理に動かさないように休養して

 

関節や患部が腫れることで可動範囲に制限がかかるので保護され自己免疫力によって

 

回復と修復がすすんで回復していきます。

 

 

アイシングは、やり方や時期を間違うとこの反応を抑制することにも

 

なりかねないので、回復へのプロセスを阻害する可能性も高くなるのです。

 

 

アイシングテクニック

 

炎症反応を適度に抑えながら、回復の妨げにならない適度な圧迫や固定などを

 

併用しながらアイシングが効果的になるように。

 

アイシングにはテクニックが必要ということです。

 

 

また、アイシング直後は感覚が麻痺しているので運動すると怪我したり患部を

 

更に悪化させるリスクが高くなります。

 

患部を冷やすことは、局所麻酔効果で腫れや炎症をコントロールでき、患部を温める

 

ことでも痛みは軽減されますが、受傷や運動の直後だと代謝が上がるので

 

患部も腫れるし範囲が広がるリスクがあります。

 

 

血流が増えないと回復はすすまない

 

アイシングを短期的に考えると、

 

患部のダメージは少なくなり回復が早くなる可能性が高くなりますが、

 

長期的な視点での回復や免疫の観点からはデメリットもあります。

 

 

アイシングで炎症を抑えることが本当に効果的かなのかどうか、

 

短期的な効果は体感できても長期的な効果やデメリットが検証されていないことや、

 

体が回復するプロセスの妨げになっているかもしれないことをするのが

 

本当に理にかなっているのか、どうすれば完全回復までが速くなるのかって

 

大事だと思います。

 

 

アイシングって元々は

 

元々アイシングとは、

 

体を冷やすことで代謝を抑えエネルギーロスを低下させたり、

 

炎症がこれ以上ひろがらないようにと(アイシングというよりも)

 

クーリングダウン目的のひとつとして始まったそうです。

 

 

それが、いつの間にか氷水や冷水(0℃)ではなく、氷や保冷剤を

 

直接患部に当てるような今のスタイルになっていますが、

 

進化したというよりも、本質から外れ、惰性的に自己流になっていると思います。

 

 

 

と、①はここまでです。

 

②では、体の温度について書いてみたので是非読んでみてください。

 

 

このブログがあなたの健康維持・獲得のキッカケやヒントになれば幸いです。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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